EP3 未練との決別 滝フルマラソンに挑戦だ
目次
EP3 未練との決別 滝フルマラソンに挑戦だ
夜桜
それでは。
滝フルマラソン、スタートです。
いや〜スタートしたね
え?チャリ?チャリ乗ってない?
……おい!なんで貴様らチャリに乗ってるんだ!
いや乗ってませんけど?
手荷物です。
え?
手荷物として自転車を持ってるだけ。持ち込みは禁止じゃないでしょ?
どこにそんなルールがあるんだ?
うーん……
素人審判はルールの紙を見てしばらく悩んだのですが、結局言い返すことができなかったので、2人に自転車の持ち込みを許すことになりました。
……乗るなよ?
乗らねえよ、マラソンだぜ?
ということで、2人は自転車を持ったまま線路沿いを走り出しました。
今回のフルマラソンのゴール地点は駅。このまま線路に沿って進んで行けば、そのうちたどり着くという運びです。コース上には滝もあります。
当然です。滝フルマラソンなのでね。
ちょっとガイダンス入ります。
そして今日、ついに滝フルマラソンを産み出した御両人が、前人未到の滝フルマラソン走破に向けて走り出しました。
日が暮れるまでにゴールできるといいね
自転車あるから余裕でしょ
と大天空が失言したそのとき……
おい、めちゃめちゃ乗ってるじゃねえか。走ってる!颯爽と!
大天空が自転車を使用!審判が制止しようとします!
だが、そこに割って入るのが那遊。
まあちょっと待ちな。これを見て。
マラソン大会中に自転車が使用された例はある。
女性は15~20キロ区間で自転車に乗って止められたものの、40キロ以降で再び乗ったという。
FNNプライムオンライン 【中国トンデモ事件簿】マラソン大会なのに途中で自転車に!? 相次ぐトラブルで永久追放処分も
このニュースによると、15~20km区間で最大5㎞自転車で走行したマラソンランナーは「止められた」だけで、その時点で即失格ということにはなってはいないわ。結局完走しちゃってる。
うん
5km走って「止められた」時点で素直に降りていれば、失格にはならなかったのよ。
うん……?
ということで、5㎞までなら、自転車で走ってもいい。これを今回の公式レギュレーションとします。
承知いたしました。
素人審判はルールに従うだけですから、ルールを作ってしまえばこちらのものです。審判は2人が自転車で走った距離が5㎞を超過しそうになったらアラートをかけるだけの役職になってしまいました。
おい、そろそろ5㎞だ。降りろ。
はい。
ちなみに1回降りると距離はリセットされるので、また5km乗ることができるようになります。
走るよ~
このように競技は進行しています。円滑ですね。
そうこうしている間に、アクシデントも起こります。
那遊が畑に転落しました。
凹む那遊。
審判の学歴を貶めることで、傷ついたプライドを恢復させようとしていました。醜いですね。
さらにフルマラソンは経過し、クーリッシュを購入したばかりの審判を無理やりサーティーワンに連れていくという嫌がらせをしたあたりからは……
下り坂だしもう乗れよ
スタッフとしてタイムマネジメントも担う審判が、自転車に乗ることを推奨するようになってきました。
まだアウトじゃない?
あと3kmは乗れますよ
むしろプレイヤーの2人の方がルールに敏感になってきていますね。
大天空が相棒の自転車を自立した1人のランナーとして扱う心優しい局面もありながら、
一行はついに滝近くの山までやってきました。
スタッフの提示したルートが大幅な遠回りであることが発覚した際には、暴動も起こりましたね。
こちらが適切なルートです。進みましょう。
滝の入口につきました。
行くぞ!
滝につきましたよ。
そこそこにテンションを上げたら……(見えないでしょうが、滝の上の方でタオルを振っている人がいますね)
手早く下山して残りのマラソンコースを進みましょうか。というのも、滝はフルマラソンにおいて中間地点でしかありませんからね。
病院の恐怖看板を気にしている場合ではありません。
滝からの帰り道。
静かにして
静かにさせられちゃいました。なぜ?
キジが……
キジがいるわ
え?
キジがいたからでした。マジで。
桃太郎じゃないけど。
桃太郎ゲージはちょっと溜まりましたね。
大天空の目に映る夕日も綺麗だってよ。
まあどんどんフルマラソンを進めていきましょう。
さて、そろそろ
通れない
行き止まりですので、迂回してください。
行手を阻まれ、拍子が狂いました。
テン下げでございますが、仕方ありませんね。
しかし……
嫌です。私は止まりません。
何あいつ、すごい勝手に行くじゃん
何が何でも遠回りをしたくない那遊は、独断で強行突破します。
絶対に行ける。絶対にだ。
通行止に抗う。これが那遊の直観が出した答えでした。
大天空も那遊の判断に従うことに。2人のこの行動は後に、「英断」と称されることになります。(主にタイムマネジメントを担うスタッフから)
※実際には専門スタッフの指揮のもと、道路交通法や刑法第二百三十三条・二百三十四条(業務妨害)、刑法第百三十条(住居侵入等)などの法律に抵触しないことを確認した上で合法的に「通行止」を無視しています。
5kmに1回降りるという儀式化したタスクをこなしながら、フルマラソンは順調に進んでいきます。通行止など、問題にもなりませんでしたね。
ついに……
市境となる橋を渡り、
ゴールを目前にした頃には、完全に日が暮れています。
あと200m!
そろそろか?
もうゴールしたのか?
今ゴールです。
やった〜
完
目次